スポーツの現場では、スポーツ栄養学の知識をもって、それぞれの競技内容や体格、年齢、体調などに合わせた栄養面のサポートを行うことで、パフォーマンス向上やコンディションの維持などを支えます。
さらに適切な栄養管理によって、スポーツを安全に長く続けられるようにすることで、健康づくりや健康問題の解決に貢献する役割も担います。また、疲労回復や筋肉強化など競技者の目的に合わせたアドバイスを行い、トラブルや悩みの解消を行います。そして、日々のトレーニングで鍛えて積み上げてきた力を試合においてベストコンディションで充分に発揮できるようにサポートします。例えば、スポーツをするうえでより良いパフォーマンスをだすには、エネルギーが必要です。そのエネルギー源となるのが、糖質と脂質です。激しい運動になると脂質では対応出来ず、糖質だけでエネルギーを作りだします。糖質の蓄えが尽きると、たんぱく質を利用して新たにエネルギーを作ろうとします。筋肉中のたんぱく質が利用されると、筋肉量の低下につながるためたんぱく質に頼らないエネルギー作りを行えることがベストです。そのためには糖質を不足させないための食事や補給が大切ですが、食品によって糖の吸収速度が違うため、個々の状況に適した糖質の補給を行うことが重要です。具体的に述べると運動前(開始の2時間半以上前)の軽食には、おにぎりやうどん、パン(あんぱんなど)が良いとされています。また、運動前後もしくは次の試合までの短時間での補給には、果物(バナナなど)やスポーツドリンク、果汁100%ジュース、ゼリータイプの栄養補助食品などが有効的であるとされています。身体を鍛える時には、体内では、新陳代謝と言い、古いものから新しいものへ作り変える作業が行われています。筋肉や骨でも、新陳代謝が行われており、より強い身体を作るためにはそれぞれに着目すべきポイントがあります。強い筋肉をつくるにあたり、材料となるのはたんぱく質と運動による刺激です。トレーニングによってダメージを受けた筋肉の修復にたんぱく質を必要とします。たんぱく質の摂取により筋肉が回復したら、またトレーニングを行って筋肉に刺激を与えます。この積み重ねで強い筋肉がつくり上げられていくのですが、たんぱく質の摂りすぎは、肝臓や腎臓に負担がかかるため、トレーニング量に合った適切な摂取を心掛けましょう。さらには頑丈な骨をつくるための材料となるのが、カルシウム、マグネシウム、リンです。主成分であるカルシウムは吸収率が低く、汗とともに流れ出てしまうため、吸収を高めるビタミンDを一緒に摂取することが推奨されています。その上で、運動を行って骨に負荷をかけることで丈夫な骨をつくりあげ、怪我の予防にも繋がる、とても重要なポイントの一つです。
他にもまだまだありますが、詳しくは管理栄養士が外来にて指導を行います。尚、管理栄養指導外来受診には、事前に採血検査と問診票の作成が必要ですので、ご関心・ご興味のある方は、医師もしくはスタッフにお尋ねください。